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移住体験談

御浜町

歩く旅に魅せられ熊野古道の町へ。愛知県からIターンした引っ込み思案の冒険家玉置さんの移住ストーリー

2024/2/20

ゼロから一緒に観光を作っていきませんか?

 

 

「御浜町の募集要項を見つけた時、ピンと来ました。御浜町でなら自分の力を活かせる気がしました

 

 

そう語るのは愛知県犬山市出身、玉置侑里子(たまおき ゆりこ)さん。

 

 

玉置さんは生粋の旅好きで、国内外問わず様々な場所を訪れてきた。旅先での新しい出会いを通して、各地の街や山々を歩くことが大好きになった。これまで熊野古道や旧中山道を歩いたほか、スペインのサンティアゴ巡礼路に3度も挑んでいる。彼女はサンティアゴ巡礼と熊野古道のどちらも踏破した「共通巡礼達成者」である。歩くことは玉置さんのライフワークであり、彼女の人生を語る上で欠かすことはできない。

 

 

2021年12月、熊野古道伊勢路のある三重県御浜町に移住。ゼロから観光地域づくりを推進する御浜町の地域おこし協力隊として、地域資源を活かしたツアー商品開発を行っている。慣れ親しんだ犬山の城下町を離れ、御浜町へ移住する決め手は何だったのか。これまでの経緯を伺った。 

 

 

自由を求め、新しいステージへ

 

 

御浜町に移住する前の2021年、犬山で木工雑貨店に勤務していた。主に販促営業、ECサイトの設計などを担当。とは言いつつも、小規模の組織のため個人の業務内容は幅広く、マニュアルのない中ありとあらゆることを試行錯誤しながらやってきた。走りながら考えるスタイルがとても肌に合っていたという。

 

 

ところが2021年10月、コロナ禍の影響を受け、このお店が閉店することになってしまった。約5年務めた勤務先に訪れた突然の幕切れ。それを聞いた時は、目の前が真っ暗になった。

 

 

「また転職活動?それとも学校に行く?デザイン系の仕事は好きだけど、将来に確固たるビジョンなんてないし…雑貨店を離れて今後何をしようか…かなり悩みました。」

 

 

そんな時、当時通っていた行きつけの飲み屋のオーナーに胸中を話したところ、その後の人生を変えるアドバイスをくれたという。

 

 

「たまゆりは自由になったんやね。なんでも出来るやん。これからは犬山だけこだわらず、どこでも好きな場所に行ける。」

 

 

はっとした。どういうわけか、これから進む道を犬山の中だけで探していた自分に気が付いた。この言葉をきっかけに、犬山の外で働く可能性が生まれて初めて頭をよぎる。

 

 

もともと旅が好きで、訪れたことのない場所への好奇心は尽きない。それなのに、どういうわけか仕事探しとなると慣れた街を出る発想がなかったのだ。

 

 

玉置さんは帰宅するや否や、PCを広げて全国各地の求人ページを探した。

 

 

(幼少期に岐阜県で暮らしたことはあるけれど、せっかくなら全然知らない土地に行ってみたい。そういえば岐阜も犬山にも海がなかった。山歩きも好きだし、できれば海と山がそばにある町で暮らしてみたいな…。)

 

 

はやる気持ちを抑えながら、インターネットで「地方 求人」と入れた結果、全国の地域おこし協力隊の募集ページに辿りつく。

 

 

ずらりと並ぶ自治体の求人募集を見る中で、三重県御浜町のページに「観光資源のない町でゼロから一緒に観光を作っていきませんか?」の一文を見つけた瞬間、目が釘付けになった。

 

 

まず最初に思ったのは、熊野古道・伊勢路や七里御浜を有する御浜町なら、理想としてきた山と海のある暮らしが現実になる、ということ。

 

 

「御浜町に行ってみたい…!」直観的に思った。そして、御浜町の地域おこし協力隊に応募することを決意。

 

 

それからわずか2ヵ月後、玉置さんは御浜町に移住することになる。

 

 

 

“根無し草”のような半生

 

楽しそうなことには何でも挑戦していく性格だと自身の性格を語る玉置さん。

 

 

その言葉が示す通り、旅行添乗員や、病院事務、木工雑貨店など、特定の分野に限らずさまざまな職を経験してきた。

 

 

また、持前の好奇心から違う世界を見たい気持ちも人一倍強く、旅行にはよく出かけていた。

 

 

 

19歳の頃には、人生初の海外渡航で、1年間イタリアに留学した。

 

イタリア留学中、クラスメイトたちと

 

 

頻繁に旅行に行き、風のように自由を謳歌していた。その反面、定職に就かず “しっかりした大人になれない自分” にどこか焦りを感じていた。そして、事務職として働いていた23歳の頃、大好きな旅行を一時ストップした。

ところが、自分の好きなことに見ないフリをして、仕事一色の日々を過ごした結果、体調を崩してしまう。

 

 

「私はやっぱり旅行が好きだと気付きました。自分の本心を抑え込んでも本当にロクなことにならないです(笑)」

 

 

 

玉置さんは当時を振り返って笑った。しかし、自由と安定の間で大きな葛藤を抱えていたその時は、心にそんな余裕はなかった。

 

 

 

苦悩の末、スペイン・サンティアゴ巡礼へ

 

どこまでも続く巡礼道を歩き進む

 

 

心身に支障をきたした結果、少しずつ旅行を再開することに。そんな折、スペインのサンティアゴ巡礼の存在を知った。

 

興味を惹かれたが、800kmの巡礼道を完踏するには約2ヵ月かかる。仕事を続けながら挑むのは現実的ではなかった。

 

悩んだ末、「どうせいつか死ぬんだ。やりたいことをやって死のう!」と仕事を退職、スペインに行くことを決意した。

 

 

 

 

>>玉置さんの冒険ストーリー、続きはこちらから<<

 

(2023年2月取材)

 

 

住所

三重県御浜町
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